デジタル ネットワークがますます多くの装置、製造ライン機器、ロボットを接続し、スマートマニュファクチャリングはオートメーションの効率をさらに高めています。IIoT (Industrial Internet of Things)に不可欠なOT (Operational Technology)および IT (Information Technology)ネットワークは相互運用性、通信の高速化、セキュリティの実装に関して Ethernet に依存しています。マイクロチップ社は本日(元記事日付2021年7月21日)、産業用ネットワークのエッジまで Ethernet 接続を拡げ、アーキテクチャをシンプルにし、設計リスクを低減できる LAN867x 10BASE-T1S PHYファミリを発表しました。

マイクロチップ社の MPLAB クラウドツールズ エコシステムは、PIC および AVR MCU の開発ワークフローを進化させる 3 つの要素を備えています。MPLAB Discover の直感的なカタログを使うとソースコード、プロジェクト、サンプルコード、ソフトウェア アプリケーションを簡単に見つける事ができます。選択したコードとプロジェクトは、MPLAB Xpress IDE(統合開発環境)にインポートしてカスタマイズ可能です。使いやすいグラフィカル ユーザ インターフェイスを備えた MPLAB Code Configurator を使うと、マウスクリックでハードウェア周辺モジュールを構成し、プロジェクトを設定できます。最適化された周辺モジュール ライブラリとモジュール式ダウンロードおよび更新を利用すると、デバイスの設定を簡単に行えます。プロジェクト アプリケーションの開発、デバッグ、展開は全てウェブブラウザで実行でき、ソフトウェアのインストールは不要です。

高性能で小フットプリントの LAN867x Ethernet PHY(物理層)トランシーバは、これまで専用の通信システムが必要であったセンサやアクチュエータ等、システムに標準的に備わっているデバイスに Ethernet を通した接続を提供します。

LAN867x を使うと、OT および IT システムのオール Ethernet インフラストラクチャをネットワークのエッジまで拡げる事ができます。また、従来は非互換通信系の相互接続に必要であったゲートウェイが不要となります。シングルペア ワイヤを使うためコストを削減でき、マルチドロップ バス アーキテクチャを採用する事で高価なスイッチの必要性が減り、スケーラビリティが高まります。同じバス上で複数のノードが高データ スループットで動作できます。

LAN8670、LAN8671、LAN8672 Ethernet PHY は、IEEE によるシングルペア Ethernet のための10BASE-T1S 規格向けに設計された製品です。10BASE-T1S は産業用アプリケーション向けオール Ethernet アーキテクチャ開発の課題(例:プロセス制御、ビルディング オートメーション、複数の接続技術を使ったシステムの統合)を解決するものです。マルチドロップ(バスライン)トポロジの特徴を活かして、最低でも 25 m の範囲にある 8 つ以上のノードに対してケーブルの本数を削減した接続を可能にします。またプリント基板内の接続に使用する事もできます。

オール Ethernet インフラストラクチャは一般的な通信およびセキュリティ機能を使う事でアーキテクチャをシンプルにしています。これにより、システムを新規に設計する際のコストとリスクを低減できます。Ethernet のその他の利点としては、物理層の速度に関係なく同じプロトコルを使える事、既存のセキュリティ インフラストラクチャおよびエコシステムで動作する事等があります。

LAN867x は MCU(マイクロコントローラ)、MPU(マイクロプロセッサ)、Ethernet インターフェイス内蔵スイッチ、開発ツール、評価用ボード、サポートを含む マイクロチップ社の産業用アプリケーション向け製品ポートフォリオおよびトータルシステム ソリューションを拡充するものです。

開発ツール

マイクロチップ社は LAN8670、LAN8671、LAN8672 Ethernet PHY を使った設計を容易にするリファレンス デザイン、ソフトウェア ドライバ、システム シミュレータ、評価用ボードを提供します。

在庫/供給状況

LAN8670LAN8671LAN8672 は本日(元記事日付2021年7月21日)より受注を開始いたします。パッケージはそれぞれ 32 ピン、24 ピン、 36 ピン VQFN(極薄型クワッドフラット リードレス)で提供いたします。詳細はお問い合わせください。

ブロック図