今日、車載市場はより大きく、様々な寸法と形状のタッチスクリーンを求めています。マイクロチップ社は本日(元記事日付2021年12月1日)、新しい maXTouch®タッチスクリーン コントローラMXT1296M1T を発表しました。本製品を使うと、様々なアスペクト比の車載向けタッチ ディスプレイを設計できます。本製品は、自動車メーカーが求める機能安全サポートも備えています。

MXT1296M1Tは、一般的な 8:3 の車載アスペクト比を含む 1:1~5:1 のアスペクト比の画面に合わせて駆動および受信タッチチャンネルを設定できます。これにより、高価な大型タッチ コントローラを使わず効率的にタッチ チャンネルを使えます。さらに、1 つの PCB 設計で複数のタッチセンサ アスペクト比に対応できるため、開発と検証にかかる工数を低減できます。MXT1296M1T ではパラメータによるセンサ チャンネルの設定変更が可能です。これにはファームウェアの変更が不要であり、設計リスクの低減と開発期間の短縮が期待できます。

maXTouch タッチスクリーン コントローラの新製品である MXT1296M1T は、同時に動作する 2 つの通信インターフェイスを備えています。これらのインターフェイスによって、タッチ情報とローカル MCU(マイクロコントローラ)への接続のための LVDS ビデオリンクのバックチャンネルにブリッジなしで接続できます。このブリッジレス回路方式はタッチレイテンシを低減させ、ユーザ体験を向上させます。また、maXTouch ソフトウェア ドライバと完全に互換です。このドライバは Linux®、Android™、QNX®等の主要な車載オペレーティング システム向けに提供しています。適切なローカルMCU に接続した場合、2 番目のインターフェイスは以下を提供します。

  • CAN バスまたは 10BASE-T1S 車載 Ethernet リンク経由のヘッドユニットへの冗長リンクによるシステムレベルの機能安全性の向上
  • 静電容量式キーのレポート、タッチセンサのライブ診断、外部およびカスタム後処理向け生データ等、maXTouch タッチスクリーン コントローラ機能のローカルアクセスおよび制御
  • マイクロチップ社の TrustAnchor100 コンパニオン チップを使った OTA (Over-the-Air)およびセキュアファームウェア更新機能

MXT1296M1T は、タッチ コントローラおよび接続されたタッチセンサの動作の整合性を常時確認するため、機能安全に関する各種機能を備えています。FMEDA(故障モード影響診断解析)と機能安全マニュアルは、ISO 26262 規格に準拠した ASIL-B (Automotive Safety Integrity Level B)アプリケーション向けシステムの設計、構築、認証を容易にします。

MXT1296M1T を使うと、送信波形を高分解能で制御して RF 放射を低減してラジオまたは RFID システムとの干渉を回避できます。車載ディスプレイのサイズが大きくなるにつれ、投影型静電容量式タッチによる RF 放射も増加傾向にあります。振幅、周波数、帯域幅に対する放射の制限値は自動車メーカーごとに異なります。 MXT1296M1T は内蔵の専用 64 レベル DAC (D/A コンバータ)を使って送信線路上の波形を精密に整形します。これにより、周波数応答を精密に制御し高調波放射を抑制して自動車メーカーが定義した制限値を満たす事が できます。

開発ツール

MXT1296M1T の設定と調整は、maXTouch Studio IDE(統合開発環境)の最新リリースでサポートされています。以下の開発キットを提供します。

ATEVK-MXT1296M1T-A

: USB ブリッジ、12.3”/8:3 形式/1.1 mm OGS (One Glass Solution)タッチパネル、相互および自己容量式タッチキー アドオンボードを備えた開発ボードを含む評価用キット

ATMXT1296M1T-I2C-PCB

: お客様のタッチセンサに接続するための開発ボード

在庫/供給状況

MXT1296M1T は本日(元記事日付2021年12月1日)より受注を開始いたします。ISO 26262 FMEDA および機能安全マニュアルは 2022 年 第 1 四半期に発売開始予定です。

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