組み込み市場では、低消費電力が重視されるエッジでも展開できる、高性能低消費電力の AI(人工知能)ソリューションが求められています。AI ソリューションはしばしば先進のイメージングおよびオーディオ機能を必要とします。しかしこれらの機能は従来、電力消費の大きい高性能マルチ コア プロセッサのみが備えていました。消費電力を増大させずに高性能周辺モジュールを使えるようにするため、マイクロチップ社は本日(元記事日付2022年5月25日)、最大 1 GHzで動作する SAMA7G54 Arm Cortex A7ベース MPUを発表しました。SAMA7G54 は MIPICSI-2 カメラ インターフェイスと従来型パラレルカメラ インターフェイスを内蔵しており、正確に奥行きを検出する低消費電力ステレオビジョン アプリケーションを開発できます。

マイクロチップ社は低消費電力 MPU の提供に注力しています。SAMA7G54 は 1 GHz クラスの Linux 対応 MPU であるにもかかわらず、柔軟な低消費電力モードと電圧と周波数のスケーリングで低消費電力を達成しています。マイクロチップ社の MCP16502 PMIC(電源管理IC)と組み合わせると、アプリケーションの消費電力と性能のバランスが最適となるようにチューニングしながら総システムコストを最適化できます。MCP16502 は マイクロチップ社の SAMA7G54 用メインライン Linux ディストリビューションでサポートされているため、低消費電力モードへの切り換えが簡単です。電圧と周波数の動的スケーリングにも対応しています。

「SAMA7G54 は、エッジ展開向けの低消費電力高性能 AI ソリューションの低リスクな開発を支援します」とマイクロチップ社 32 ビット MPU部門担当副社長の Rod Drake は述べています。「SAMA7G54 を使う事で、消費電力が大きいマルチコア MPU を使わずに、高性能なイメージングおよびオーディオ AI アプリケーションを開発できます。」

SAMA7G54 はオーディオ アプリケーション向けに 4 つの I2S デジタル オーディオポート、8 マイクロフォン アレイ インターフェイス、S/PDIF トランスミッタおよびレシーバ、4 つのステレオ チャンネル オーディオ サンプリングレートコンバータ等のオーディオ機能を内蔵しています。また、スマートスピーカやビデオ会議システムにおいて音源定位能力を高めるため、複数のマイクロフォン入力を備えています。

SAMA7G54 はセキュアブート、セキュアな鍵ストレージ、暗号アクセラレーション等の機能を備えた Arm TrustZone®テクノロジも内蔵しています。マイクロチップ社のセキュリティ エキスパートが個々の設計に最適な保護レベルの実装を支援します。

開発ツール

マイクロチップ社は SAMA7G54 向けのハードウェアおよびソフトウェア開発サポートを提供しています。 SAMA7G54-EK 評価用キット(CPN:EV21H18A)は、最先端の組み込み機能を簡単にカスタマイズして素早くアクセスできるようにコネクタと拡張ヘッダを備えています。SAMA7G54 は マイクロチップ 社のメインライン Linux ディストリビューションでサポートされています。ベアメタル フレームワークと RTOS は MPLAB® Harmony 3 でサポートされています。

マイクロチップ社は、SAMA7G54 がサポートする Ethernet PHY、スイッチ、ハブ、無線製品、CAN-FD トランシーバ 等を豊富に提供しています。

在庫/供給状況

BGA343 パッケージの SAMA7G54 は本日より受注を開始いたします。詳細はお問い合わせください。