車載および産業市場では、コストと重量とケーブル配線の複雑さを抑えるというシステムレベルの利点を理由として、ネットワーク接続にSPE (Single Pair Ethernet)ソリューションが広く採用されています。SPEは車載アプリケーションでの性能と信頼性に既に実績があり、現在は航空用電子機器、ロボット、オートメーション等、その他の分野にも導入が進んでいます。きわめて優れた柔軟性と相互運用性を実現するため、マイクロチップ社は本日(元記事日付2024年8月20日)、1000BASE-T1のネットワーク速度を使って100 Mbps~1000 Mbpsをサポートし、最大ケーブル長 40m に対応して接続距離を拡大できる LAN887x Ethernet PHY トランシーバファミリを追加し、SPEソリューションを拡充した事を発表しました。
業界の垣根を越えて相互運用性を実現するため、マイクロチップ社の LAN887x PHYは 1000BASE-T1仕様についてはIEEE® 802.3bp、100BASE-T1 仕様については IEEE 802bw-2015 に完全に準拠して設計されています。マイクロチップ社は UNH-IOL(ニューハンプシャー大学インターオペラビリティー ラボラトリー)と共同で1000BASE-T1に準拠した開発テスト プラットフォームを構築しました。過酷な環境で動作し、極端な温度に耐える必要がある多くの車載および産業用アプリケーション向けに、これらのデバイスは、ISO 26262機能安全規格(ASIL B)にも対応しています。
これらのデバイスは、ケーブル異常検出、信号品質表示、リンクダウンとエラー、BIST(組み込み自己診断機能)、温度と電圧の監視等、信頼性向上のための高度な診断機能を提供しています。様々なエンド アプリケーションの接続要件に柔軟に対応するため、LAN887x PHYはケーブル長15 mまでのType Aと、さらに最大40mまでのType Bをサポートしており、タイプにも4つのインライン コネクタが含まれています。
LAN887x はエネルギ効率を高める EtherGREEN™技術を使った低消費電力ソリューションです。OPEN Alliance TC10 スリープおよびウェイクアップ機能は最大 16 µAのスタンバイ消費電力でさらなる省電力化を実現し、バッテリ アプリケーションの動作時間を延長します。オプションの内蔵リニア レギュレータは設計の部品点数を減らす事で部品コストを最適化できます。
LAN887x PHY は マイクロチップ社の MCU(マイクロコントローラ)、MPU(マイクロプロセッサ)、SoC(システム オン チップ) デバイス、Ethernet スイッチの幅広いポートフォリオと互換性があります。マイクロチップ社は 10 Mbps~ 1000 Mbpsのデータ転送速度をサポートするPHY、コントローラ、スイッチ等のSPEソリューションを提供し、そのラインアップを拡大しています。マイクロチップ社のSPEソリューションの詳細はウェブサイトを参照してください。
[開発ツール]
LAN887x ファミリの PHYトランシーバは、Type AとType Bのメディア コンバータキット、SFP (SGMII)、USB および PCIe®プラグインボード、Linux®ソフトウェア ドライバ等、包括的なハードウェア評価プラットフォームでサ ポートされています。
[開発ツール]
LAN8870、LAN8871、LAN8872 は本日(元記事日付2024年8月20日)より量産受注を開始いたします。詳細とご購入はお問い合わせください。