道路を走るEV(電気自動車)がますます増えるなか、その需要増に応えるには、必要な充電インフラストラクチャを拡大する必要があります。EV充電器にクレジットカードの支払方法を追加する事は多くの国で標準的な慣行となりつつあり(EU(欧州連合)では義務化)、充電器はPCI (Payment Card Industry)セキュリティ規格を満たす必要があります。EV充電器設計者による決済アーキテクチャの保護を支援するため、マイクロチップ社は本日(元記事日付2024年4月26日)、EV充電器設計者が決済アーキテクチャを保護できるよう、MXT2952TD 2.0ファミリのセキュア タッチスクリーン コントローラを発表しました。

悪タッチ対応HMI(ヒューマンマシン インターフェイス)とRFID(無線ID)の組み合わせによる一般的な決済システムは、不正なソフトウェア アップデートによるハッキング攻撃またはタッチスクリーンへのPIN(暗証番号)入力時の中間者攻撃に対して脆弱です。ハッキング保護のため、一般的にこれらのIC(集積回路)の周囲には物理的なメッシュバリアまたはハッキング センサが使われています。ソフトウェアの完全性を保護するため、ソフトウェアの定期的な再フラッシュとデバイスリセットが活用されています。MXT2952TD 2.0ファミリはタッチデータを暗号化し、あらゆる種類のソフトウェア アップデートを暗号的に認証する事でリスクを最小限に抑え、PCI認証コンプライアンス基準を満たす事を目的に設計されています。ハッキング保護のための物理的バリアの構築は、RFIDリーダICとタッチスクリーン コントローラが別々のPCB(プリント基板)に配置されている場合、特に困難かつ高コストになります。MXT2952TD 2.0の組み込みファームウェアは、EV充電器メーカーがセキュリティ規制に準拠したまま、高価なタッチスクリーン決済モジュールを充電器に別途追加するコストを節約できる、より容易に導入可能なソリューションを提供します。

屋外利用という特性上、EV充電器のHMIは過酷な気象条件に耐え、水滴が付着しても正確に動作し、破壊行為に対しても強くなければなりません。MXT2952TD 2.0タッチ コントローラに基づくタッチスクリーンはIK10(耐衝撃保護等級)規格の6 mm厚ガラス、反射防止/映り込み防止/指紋防止コーティング、IRフィルタ/UVフィルタ層と合わせて設計しても有効に動作します。マイクロチップ社独自の差動タッチセンシングは厚手の手袋で操作しても優れたタッチ性能を発揮する並外れたノイズ耐性を実現します。

MXT2952TD 2.0ファミリはEV充電器のみならず、駐車メータ、バスの券売機メータ等の多くの屋外用無人決済端末、その他の種類のPOSシステムに適しています。2952TD 2.0は20インチのスクリーンサイズに特に最適化されており、姉妹製品のMXT1664TDは15.6インチの画面サイズで利用できます。

[開発ツール]

標準的なmaXTouchファミリ開発ツールとして、maXTouch Studio IDE(統合開発環境)、製造最終工程テスト/検査ツールであるmaXTouch Analyzer等が用意されています。

また、マイクロチップ社の工場でトレーニングを受けたタッチセンサ モジュール パートナーが世界中に数多くおり、カスタムのタッチセンサ、タッチスクリーン ディスプレイの設計をお手伝いできます。

[在庫/供給状況]

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