
4 チャンネルの高精度温度計測は化学処理、食品加工、製造プロセス制御、医療機器、HVAC 機器から、冷蔵/低温環境など綿密に制御された環境まで、多岐にわたる製造ライン アプリケーションできわめて重要な役割を果たします。マイクロチップ社は本日(元記事日付2025年9月26日)、温度計測と統合の障壁を克服するMCP9604統合型熱電対向けコンディショニングICを発表しました。この初のシングルチップ4チャンネルI2C熱電対向けコンディショニングICにより、±1.5℃ の精度が実現し、エラーや複雑なシステム設計の原因となるマルチチップのディスクリート熱電対向けコンディショニング ソリューションが不要になります。
MCP9604 デバイスはアナログアンプ設計の一次線形近似ではなく、より高次の NIST ITS-90 式を使って4 ヶ所の熱電対で優れた計測精度を実現します。例えばK タイプの熱電対で9次精度を達成しますが、これを ADC、冷接点補償温度センサ、アンプ、および信号チェーン/温度計測/算術演算エンジンに必要なその他の部品を全て含む統合型ワンチップで実現します。
外付け部品が不要なため PCB 設計が簡略化され、部品コストを削減できます。また、ディスクリート ソリューションでは、ホストシステムへのデータ送信を開始する前に熱電対計測信号チェーンでユニットごとの検証/校正が必要ですが、このような何週間もの時間とコストがかかる複雑な作業の軽減に役立ちます。
柔軟性と汎用性に優れたMCP9604は、最も一般的な8つの熱電対タイプをサポートしており、これには最低-200℃の動作に対応するKオプションとJオプションが含まれます。また、各種の産業用アプリケーションで-200℃~+1372℃の広い温度範囲に対応しており、I2C通信をサポートするため、マイクロコントローラやその他のデジタルシステムと容易に統合できます。
[これまでの進歩を基盤とした設計]
MCP9604 のベースとなっているのは、オールインワン デバイスで初めて最大±1.5℃ の精度を実現したマイクロチップ社の1チャンネル熱電対向けコンディショニングICです。このデバイスを実現させている中核的な能力により、I2C 熱電対向けコンディショニング デバイスとして業界最高レベルの精度でデジタル温度計測を提供する4チャンネルのシングルチップMCP9604デバイスへの道が開かれました。
[開発ツール]
MCP9604デバイスはマイクロチップ社のEV19L27A評価用ボードでサポートされています。EV19L27Aは最大4つの熱電対に接続して情報を読み出す事ができ、搭載されたマイクロコントローラがホストシステムとしてこの情報を受信し、選択された熱電対をプロットします。この評価用ボードには MCP9604または EVBのウェブページからダウンロードできる無償ソフトウェアが付属しています。
[価格と在庫/供給状況]
MCP9604 熱電対向けコンディショニング IC はテープインリール(MCP9604T-E/3YW)構成またはレール (MCP9604-E/3YW)構成で提供され、24 ピンの5×5 LGA (Land Grid Array)パッケージで提供されます。EV19L27A評価用ボードは現在提供中す。
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